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ウサギはBarに                    行けないちん。                         うんうん、                 行けないちんなぁ。


by anzou_s
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眼鏡

私は目が悪い。
でも眼鏡もコンタクトもしない。
なぜか面倒なきがしてそれらを使わないだけ。

でも「本当に困っている人」を見分ける眼鏡が欲しい。
それならかけても良い。

ここ二日間、地下鉄の駅の階段でショッピングカートを
引きずりながら歩く老婆の姿を見かける。

一日目、たまらず声を掛けた。
「持って降りましょうか。」
でも返ってきた答えは
「大丈夫です、一人でもてますから。」

もしかして老婆のプライドを傷つけてしまったかと思い、
どうも2度言うのをためらった。
しかたなく私は一人で階段を下りた。

二日目、また違う老婆が同じような状況で難儀していた。
今度はちゃんと持ってあげよう。
また声を掛けたが答えは同じ。
どうもその一歩先が言い出せない。
また一人で階段を下りた。
すると後ろからガシャン!と音がする。
振り返ると老婆がショッピングカートを落としているではないか。

本当は困っていたんだ。
私はたまらずに途中まで降りかけた階段を駆け上がり
老婆に近づいた。
「やっぱり持ちま・・・」
言いかけたとたん、近くにいた若いスーツ姿の男性が
ショッピングカートを持ち上げ、
「持ちます。」と言った。
老婆はそれでも「いいです、いいです、」の一点張り。
「持ってもらったほうがいいですよ」
私が一言声を掛けると
老婆は観念したように、ほっとしたように、
男性にカートを預け、手すりにつかまってゆっくり階段を
降りていった。

良かった。
やっぱり本当は持って欲しかったのか。
困っている人を見分けられる眼鏡があれば
本当に持って欲しかったが遠慮していただけなのか
そうでないのかが分かる。
そんな眼鏡がほしい。

もし今度また違う老婆に同じ境遇で出会ったら
今度は2度言おう。
おせっかいだと思われてもいい。
2度言わないと遠慮して断っているかもしれない。
もしそれでまた私が一人で階段を下りた後
転んだりでもしたら、
私はずっと後悔するだろうと思ったからだ。

困っている人は、どうして一人で抱え込み、
何とかしようと頑張るのか。
時には誰かに手をかしてと頼んでみれば
楽になれると思うのに。
by anzou_s | 2005-02-09 09:59 | その他